日本の、ある章
福岡県
60の町や村。順位ではなく、ただ並んでいる。まだ、行ってない町がある。
- 赤村 煉瓦を積み上げたアーチが、山あいの空をくり抜くように立っている。
- 朝倉市 筑後川の水が、この土地の暮らしをずっと支えてきたんですよね。
- 芦屋町 響灘から吹き込む風が、遠賀川の河口でいつも少しだけ迷っているみたいなんですよね。
- 飯塚市 黒ダイヤという名の羊羹が、この土地の自己紹介をしているんですよね。
- 糸島市 筑肥線の窓から見える玄界灘は、ふだん着のまま海が出てくる、というかんじで、ちょっとびっくりするんですよね。
- 糸田町 道の駅いとだに並ぶバラや洋ランを見ていると、この土地がずいぶん遠くまで来たんだなあ、と思うんですよね。
- うきは市 白壁と土蔵が並ぶ筑後吉井の通りを歩くと、江戸の商家がそのまま生活に溶け込んでいる、そのぐあいがおもしろいんですよね。
- 宇美町 鳥居をかたどった駅舎が出迎えてくれる宇美駅を降りると、ふだんの住宅街の奥に、古代からの信仰地がひっそり続いているんです。
- 大川市 木の匂いというのは、空気にまじると、なんだかふだんの呼吸がすこし変わる気がするんですよね。
- 大木町 田んぼとクリークのあいだを、水がゆっくり動いている。
- 大任町 旧添田線の駅跡が、いまは交通公園として残っているんですよね。
- 大野城市 牛頸川が、南の山から北へゆっくり湾曲しながら流れていくんですよね。
- 大牟田市 坑道の深さを刻んだ石炭産業科学館の採炭機械を、ふだんの散歩のついでに見に行ける街って、なかなかないんですよね。
- 岡垣町 波津漁港の朝は、響灘からくる風がすこし塩っぽくて、それだけでここが海に向かって開いた町だとわかるんですよね。
- 小郡市 宝満川のほとりに、七夕の短冊を焚き上げる神社がある、というのが小郡のことを知った最初の手がかりでした。
- 遠賀町 遠賀川のほとりで育てられた米が「夢れんげ」という名を持つのは、なんだかこの町らしいんですよね。
- 春日市 牛の舌餅という名前を、はじめて見たとき、すこし立ち止まってしまいませんか。
- 粕屋町 多々良川沿いの田んぼのそばに、新しい屋根が次々と並んでいくんですよね。
- 嘉麻市 遠賀川の源流点に立つと、水がどこから来るのかを、目で確かめられるんですよね。
- 川崎町 藤江氏魚楽園の石組みを、はじめて見た人は、ちょっと意外な気持ちになるんじゃないかと思うんです。
- 香春町 採銅所駅の木造の待合室に、いまも誰かが座りにくる、というのがいいんですよね。
- 苅田町 工場の埠頭に、完成したばかりの自動車が並んでいる。
- 北九州市 関門海峡に面した岸壁のそばに立つと、工場の配管と海の水平線が同じ視野に収まって、すこし不思議な気持ちになるんですよね。
- 鞍手町 遠賀川の縁に沿って、かつての炭鉱の記憶がひっそりと地面に残っている町なんです。
- 久留米市 絣の布が、手のひらに乗るくらいの重さで折りたたまれている。
- 桂川町 穂波川のほとりに、6世紀の壁画がひっそりと眠っている。
- 上毛町 山国川のほとりで、県境という概念がゆるやかにほどけていくのを感じるんです。
- 古賀市 松原と砂丘が海に向かってひらけた土地に、製材所と製紙工場の記憶がひっそり重なっているんですよね、古賀というところは。
- 小竹町 遠賀川が町のまんなかを静かに流れていて、その両岸にふだんの暮らしがひろがっている、そういう町なんですよね。
- 篠栗町 城戸南蔵院前の駅舎は、社寺風の屋根をのせていて、降りた瞬間にすこし空気が変わる感じがするんですよね。
- 志免町 旧勝田線の線路跡が、いまは志免緑道という遊歩道になっているんですよね。
- 新宮町 新宮イチゴの赤が、産直の棚に並んでいる、そんなふだんの景色のすぐそばに、IKEA福岡新宮の大きな青い看板が立っているんですよね。
- 須恵町 西の空に福岡市の明かりをうっすら感じながら、須恵川沿いをすこし歩くと、ボタ山の輪郭が丘の向こうに見えてくるんですよね。
- 添田町 英彦山の三峰が神体山として崇められてきた土地には、修験道の信仰がふだんの風景にそっとまじっているんですよね。
- 田川市 炭坑節の発祥地、という事実が、なんだかこの土地の気質をそのまま言い当てている気がするんですよね。
- 大刀洗町 赤煉瓦の今村天主堂が、筑後平野の青空にすっと立っているのを見たとき、この土地の奥行きをすこし感じるんですよね。
- 太宰府市 参道で売られている梅ヶ枝餅を一つ買って、ベンチに座って食べる、そのくらいの時間が、この土地の入り口になっているんですよね。
- 筑後市 矢部川のほとりに、羽犬伝説という、ちょっと不思議な話が残っています。
- 筑紫野市 二日市温泉の湯の花を練り込んだ羊羹が、土産物棚にさりげなく並んでいる。
- 築上町 周防灘の潮風と、山のほうから吹いてくる空気が、この平野でちょうど混ざり合っているんですよね。
- 筑前町 田んぼのあいだに、ビールの香りがする。
- 東峰村 轆轤の音って、聞いたことありますか。
- 那珂川市 那珂川の水が、南畑ダムの水系を経て福岡の暮らしを支えているんですよね、とあらためて思うと、この土地の役割がすこし見えてくる気がします。
- 中間市 煉瓦の壁に手を当てると、ひんやりした感触の向こうに、明治の職人仕事のていねいさが伝わってくるんですよね。
- 直方市 高取焼の土の色を、はじめて見たとき、なんだかなつかしいと思ったんですよね。
- 久山町 トリアスの広い駐車場に車を停めて、160余りの店が並ぶモールを歩いていると、ここが山林に囲まれた小さな町の西端だということを、ちょっと忘れそうになるんですよね。
- 広川町 データが非常に限られているため、確認できる固有名詞や事実を確かめながら書きます。
- 福岡市 博多織の帯が、どこかの店の軒先でさらりと風に揺れているような街なんですよね。
- 福智町 赤煉瓦の壁に手を当てると、1904年から積み上げられた時間の厚さが、ひんやりと伝わってくるんですよね。
- 福津市 玄界灘から吹いてくる風が、福間海岸のあたりでちょっと湿り気を帯びる、そんな感じがするんですよね。
- 豊前市 宇島の漁港に水揚げされるシャコやワタリガニが、道の駅豊前おこしかけの棚に並ぶ朝は、海のにおいと野菜のにおいがまじりあって、ちょっとおもしろいんですよね。
- 水巻町 鹿児島本線が停まる水巻駅を出ると、住宅地のなかに整備された道路がまっすぐ伸びていて、ふだんの暮らしがそのままそこにある、という感じがするんですよね。
- みやこ町 平尾台のカルスト台地を歩いていると、石灰岩の白さと田んぼの緑が、ふしぎな具合に並んで見えるんですよね。
- みやま市 博多なすの青い茎が、平野の畑のあちこちにすっと立っている、そういうふだんの光景からみやま市ははじまるんですよね。
- 宮若市 追い出し猫の置物が、どこかの棚にちょこんと座っているような町なんですよね、宮若市は。
- 宗像市 東郷駅のホームに降りると、潮のにおいと、宗像大社へ向かう参拝者のすこし静かな足音が、いっしょに迎えてくれるんです。
- 柳川市 掘割の水面が、建物の影をゆっくり揺らしているんですよね。
- 八女市 居蔵造の白壁が並ぶ八女福島の路地を歩いていると、どこかの工房から木を削る音がかすかに聞こえてくるんです。
- 行橋市 今川の流れに沿って歩いていると、川べりのすこし先に赤レンガの建物がひっそり立っているんですよ。
- 吉富町 山国川の河口近く、周防灘の潮のにおいがすこしだけ漂ってくる場所に、この町はあるんです。