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この場所の物語
居蔵造の白壁が並ぶ八女福島の路地を歩いていると、どこかの工房から木を削る音がかすかに聞こえてくるんです。仏壇、提灯、和紙、石灯籠——江戸の商業文化が積み上げてきた手仕事が、いまもここでは「ふだんの産業」として続いていて、見ているだけで、ものをつくることへの敬意みたいなものが自然とわいてくる。
八女茶の茶畑と矢部川の水が育てたこの盆地は、暮らしのテンポがゆっくりしているぶん、長くいるほど土地の層が見えてくる気がするんですよね。べんがら村の天然温泉でひと息ついたり、八女伝統工芸館で手漉き和紙を実際に漉いてみたりしながら、日々をつないでいく——そういう過ごし方が、ここではごく自然に手に入るんです。
岩戸山古墳の石人石馬を前にしたとき、この土地が千五百年ぶんの記憶をふつうの地面の下に持っていることに、すこしだけ驚く。黒木地区の樹齢八百年の大クスや、素盞嗚神社に寄り添う樹齢六百年超の藤も、「古いもの」として博物館に収まっているわけじゃなく、いまも地域の暮らしのそばにある。そのさりげなさが、八女という場所のいちばんおもしろいところかもしれないなあ、と思うんです。
福岡県八女市に泊まる
この場所の中身
この地に重なるもの
- 八女市八女福島
- 八女市黒木
- 八女古墳群 乗場古墳 石人山古墳 岩戸山古墳 善蔵塚古墳 弘化谷古墳 丸山塚古墳 丸山古墳 茶臼塚古墳
- 黒木のフジ
- 松延家住宅(福岡県八女郡立花町)
- 松延家住宅(福岡県八女郡立花町)
文化財