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この場所の物語
筑後川の水が、この土地の暮らしをずっと支えてきたんですよね。北の山から流れてきた水が南の盆地に広がり、古処鶏を育て、葛や水まんじゅうをつくり、マルヱ醤油の仕込みにも使われる。水の使い道が、そのまま朝倉のふだんの輪郭になっている、そんな感じがするんです。
秋月の城下町をすこし歩くと、黒門のそばに垂裕神社の楓の木があって、だんごあんの涼み台が渓流沿いにひっそりと構えている。秋月城跡から朝倉市秋月博物館へ続く道は、江戸の時間とふつうの午後がとなり合っていて、「筑前の小京都」という言葉よりも、もうすこし素朴な手触りが残るんです。
甘木アーケード商店街のほうに出ると、西鉄甘木線の駅があって、キリンビアパーク福岡も大分自動車道のインターチェンジも、ほどよい距離感にある。城下町の静けさと、商業地のにぎやかさが、無理なくとなり合っているのが朝倉という場所で、ここに拠点を置いて、原鶴温泉の筑後川沿いで夕方をすごす、そういうふだんの積み重ねがきっと似合うんだろうなあ、と思うんです。
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