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この場所の物語
煉瓦を積み上げたアーチが、山あいの空をくり抜くように立っている。内田三連橋梁と第二石坂トンネル、どちらも明治二十八年に竣工した鉄道遺産で、いまも村の日常のそばにそのまま残っているんです。炭鉱の波をほとんど受けずに農業を続けてきた赤村には、掘り返されなかった地面と、掘り返されなかった時間が、ふだんの景色として重なっている。
源じいの森温泉はキャンプ場に隣接していて、貸切風呂でアルカリ性単純温泉にゆっくりつかりながら、PCを閉じた夜をどう過ごすか、すこし考えたくなるんですよね。村域の七割を森が占めるこの場所は、赤村特産物センターで春蘭(じいばば)を見かけたり、源氏蛍の季節に川沿いを歩いたりすることが、観光というよりも、ふだんの暮らしの延長として成立している。
平成筑豊鉄道田川線が村を貫いていて、源じいの森駅や油須原駅に停まる列車は、福岡市や北九州市とこの静かな山村を、のんびりつないでいる。月に一度だけ走る赤村トロッコ油須原線に乗れたなら、未成線の線路の上を風が通り過ぎるあの感覚は、ほかでは体験できないと思うんです。
福岡県赤村に泊まる
この場所の中身
この地に重なるもの
- 油須原
- 赤
- 源じいの森
- 内田
駅