日本の、ある章
岡山県
27の町や村。順位ではなく、ただ並んでいる。まだ、行ってない町がある。
- 赤磐市 桃やピオーネの畑が、丘の斜面にぽつりぽつりと続いている。
- 浅口市 備中手延べ麺の看板が、鴨方の旧市街にひっそり残っているんですよね。
- 井原市 夜になると、井原の空はほんとうに暗くなるんです。
- 岡山市 吉備団子の甘みと、えびめしの濃いソースと、白桃の果汁が、ひとつの街の食卓にぜんぶ並んでいる、というのがちょっとおもしろいんですよね。
- 鏡野町 奥津渓の花崗岩を、吉井川の清流がゆっくりと削ってきた。
- 笠岡市 笠岡港から出る旅客船が、朝のうちに諸島のほうへ向かっていくんですよね。
- 吉備中央町 吉備高原の台地に、計画都市と古い集落がとなり合って存在しているんですよね。
- 久米南町 棚田まつりの日、山の上から見下ろすと、段々に積まれた田んぼが、空の光をそれぞれ別々に受けているんですよね。
- 倉敷市 白壁の塀に沿ってゆっくり歩くと、倉敷川の水面がひかりを揺らしていて、江戸時代の天領だったころの記憶が、ふだんの散歩道にそのまま残っているんですよね。
- 里庄町 備中素麺の白い束が、ふだんの台所にそのまま並んでいるような町なんですよね。
- 勝央町 出雲往来の宿場として栄えた勝間田の駅舎が、2021年に新しくなったんです。
- 新庄村 出雲街道が、いまも村の真ん中を通っているんですよね。
- 瀬戸内市 鉄を打つ音は、もうここには聞こえない。
- 総社市 田んぼのあいだに、ふいに五重塔が立っているんですよね。
- 高梁市 赤銅色の石州瓦が、坂道の両脇にずっと続いているんですよね。
- 玉野市 宇野港のフェリー乗り場に立つと、海の向こうに直島や豊島がぽかりと浮かんで見えて、ああここは陸の終わりじゃなくて、海への入り口なんだなあ、と気づくんですよね。
- 津山市 出雲街道沿いに白壁となまこ壁の商家が並ぶ城西の町を、ゆっくり歩くと、江戸の地割がそのまま残っていることに、すこし驚くんですよね。
- 奈義町 那岐山の稜線が、ふだんの暮らしの背景にある、というのがここの手触りなんですよね。
- 新見市 石灰岩の台地の下に、いくつもの鍾乳洞が口を開けている、というのがこの土地のふだんの地面なんですよね。
- 西粟倉村 杉と檜の匂いが、村じゅうにしずかに満ちているんですよね。
- 早島町 畳表を織る手の感触と、物流トラックの振動が、同じ平らな土地にある、というのがいいんですよね。
- 備前市 煉瓦造りの煙突が、伊部の空にいくつも立っているんですよね。
- 真庭市 出雲街道の石畳の感触が、ふだんの散歩にそっと混じってくる、そういう場所なんですよね。
- 美咲町 卵かけご飯の発祥の地、という話は、最初に聞いたときすこし笑ってしまうんですけど、よく考えるとこれはとても正直な自己紹介なんですよね。
- 美作市 因幡街道の宿場町・大原宿の古町に入ると、本陣の建ちならぶ通りがそのまま残っていて、ああ、ここは江戸の道がまだ生きているんだなあ、とすこし驚くんですよね。
- 矢掛町 旧山陽道の石畳のような静けさが、この町にはあるんですよね。
- 和気町 吉井川のそばで、ブドウやリンゴやスモモが育つ。