日本の、ある章
宮崎県
26の町や村。順位ではなく、ただ並んでいる。まだ、行ってない町がある。
- 綾町 草木染め織物の工房が、照葉樹林のふちに静かに並んでいる。
- えびの市 雨の多い山に、霧が低く垂れている日。
- 門川町 門川港に水揚げされた門川金鱧の話を聞いていると、この海がただの景色じゃないんだなあ、とじんわり思うんです。
- 川南町 段丘の上の風が、まるみ豚を育てる牧草地をなでていく。
- 木城町 小丸川の水音が、どこにいても耳の端に届いてくる町なんですよね。
- 串間市 都井岬の御崎馬が、灯台の下の草地をのんびり歩いているんですよね。
- 国富町 切り干し大根を干す台地の風と、SiCパワー半導体を焼く工場の光が、同じ町の空気の中にあるんですよね。
- 小林市 名水百選に選ばれた出の山湧水が、ふだんの暮らしのすぐそばで湧いているんですよね。
- 五ヶ瀬町 九州山地の奥、標高が高くなるにつれて、夏でも空気がひんやりと変わっていくのを体で感じるんですよね。
- 西都市 台地の上に、古墳がいくつも並んでいるんですよね。
- 椎葉村 石垣と椎葉型民家が、急な斜面にへばりつくようにして並んでいる。
- 新富町 ピーマンやトマトのハウスが、国道10号沿いにずっと続いているんですよね。
- 高千穂町 五ヶ瀬川が削り出した柱状節理の岩肌は、触れたら冷たそうな、ほんとうに石の手触りがするんですよね。
- 高鍋町 木造の駅舎が、ちいさな出迎えをしてくれる場所なんですよね。
- 高原町 狭野のスギ並木を歩くと、木々の幹がずっと遠くまで続いていて、それだけで少し、別の時間に入ったような気持ちになるんです。
- 都農町 西の山から東の海へ、名貫川がまっすぐ抜けていく地形が、この町の骨格をそのまま表しているんですよね。
- 西米良村 面積のほとんどを森が占めるこの村では、ユズの黄色と、シカやイノシシのジビエ加工の気配が、ふだんの暮らしのそこここにあるんですよね。
- 日南市 飫肥杉の丸太が、かつて堀川運河を流れて油津港へ出ていったことを想像すると、この土地の骨格がすこし見えてくる気がするんですよね。
- 延岡市 五ヶ瀬川の秋の鮎梁は、環境省が音風景に選んだほどで、水音と梁の静けさが、ふだんの暮らしの背景にそっとある、そういう土地なんですよね。
- 日之影町 五ヶ瀬川が刻んだV字の谷底から見上げると、石垣の段々がずっと上まで続いていて、そこに人が暮らしてきた時間の厚みがわかるんですよね。
- 日向市 日向灘から吹いてくる風は、よく晴れていて、すこし塩っぽい。
- 美郷町 大内原ダム湖の湖面が、九州山地の緑をそのまま映している、そんな場所なんですよね。
- 三股町 鰐塚山地を東に背負いながら、西の都城盆地へと開けていく地形が、この町の暮らしの骨格をつくっているんですよね。
- 都城市 焼酎の蔵と、都城大弓の工房と、畜産の匂いが、同じ盆地の空気の中にある、というのがおもしろいんですよね。
- 宮崎市 大淀川が日向灘へ向かって静かに広がっていく、その河口のあたりに、この街の体温がある気がするんです。
- 諸塚村 林道が山の奥まで細かく入り込んでいる村、というのが諸塚村の第一印象で、そのぐあいが、ここで生きてきた人たちの時間の積み重ねを、ちゃんと教えてくれるんです。