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この場所の物語
林道が山の奥まで細かく入り込んでいる村、というのが諸塚村の第一印象で、そのぐあいが、ここで生きてきた人たちの時間の積み重ねを、ちゃんと教えてくれるんです。1907年に林業立村を掲げてから、用材を切り出し、シイタケを育て、茶を摘む、という暮らしが、九州山地の奥でずっと続いてきた。諸塚山をはじめとする山々と耳川の水が、その営みをずっと支えてきたんだなあ、と思います。
しいたけの館21では、シイタケの生産から体験まで一続きに見られるんですが、ものが育つ場所とものを売る場所がこんなに近い村は、なかなかないんですよね。1938年竣工の塚原ダムは登録有形文化財にもなっていて、近代化産業遺産として村の歴史の厚みをそのまま残している。諸塚神楽や諸塚山山開きといった祭事も、ふだんの暮らしのすぐそばにあって、よそから来た人でも、その輪郭をすこし感じ取れる気がします。
国道327号、百万円道路と呼ばれる道が日向市方面へとつながっていて、外とのつながりは細いけれど、確かにある。山の中で自炊しながらPCを開いて、夕方には散歩がてら林道を歩く、そういうふだんの時間を丁寧に積み上げたい人に、この村の密度はちょうどいいんだと思います。
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- 諸塚山
山