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この場所の物語
石垣と椎葉型民家が、急な斜面にへばりつくようにして並んでいる。十根川集落の路地を歩くと、石と木と土だけでできた暮らしがそのまま残っていて、ここに来るまでの長い山道のことを、すこし、忘れてしまうんですよね。
椎葉民俗芸能博物館に立ち寄ると、焼畑農業や椎葉神楽の記録がていねいに収められていて、この村が自分たちの暮らしを自分たちで語ろうとしてきた、その積み重ねがわかる。那須家住宅(鶴富屋敷)は、平氏の落人伝説をまとった国の重要文化財で、ふだん使いの民家がそのまま歴史になっている、というぐあいがいいなあと思う。
宮崎空港から三時間ほどかかるこの場所は、「遠い」という事実が、かえって滞在の密度をあげてくれる。国見岳をはじめとする九州山地に囲まれた谷あいで、PCを開いても、散歩に出ても、どこかしら山の気配がそばにある。椎葉平家まつりやひえつき節日本一大会のある時期に来ると、村がすこし違う顔をしていて、それがまたおもしろいんです。
宮崎県椎葉村に泊まる
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