日本の、ある章
神奈川県
33の町や村。順位ではなく、ただ並んでいる。まだ、行ってない町がある。
- 愛川町 中津川の水音が、工場の稼働音と重なって聞こえてくる、というのがこの町の正直な手触りなんですよね。
- 厚木市 本厚木の駅を出ると、平日の昼間から人の数がちゃんとあって、街がきちんと息をしているんですよね。
- 綾瀬市 相模野台地の縁に沿って、目久尻川がひっそりと流れているんですよね。
- 伊勢原市 大山阿夫利神社への参道には、江戸の昔から大山講の人々が踏んできた石畳がつづいていて、そこを歩くと、信仰と観光がずっと一緒に生きてきた土地なんだなあ、と実感するんです。
- 海老名市 駅前にロマンスカーミュージアムがあって、歴代の車両がずらりと並んでいるんですよね。
- 大磯町 旧東海道松並木の木陰に、ふだんの散歩道がある、というのがいいんですよね。
- 大井町 上大井駅の木造の改札を抜けると、ひょうたんの看板が静かに迎えてくれるんです。
- 小田原市 かまぼこを薄く切ると、断面がほんのり桜色で、そこに小田原の日常がある気がするんですよね。
- 開成町 弥一芋という里芋の名前が、なんだかこの町の気質を言い当てている気がするんです。
- 鎌倉市 腰越漁港の朝市で、生シラスを小さなパックに詰めてもらう、その手つきがいいんですよね。
- 川崎市 多摩川梨と禅寺丸柿が、川崎という都市の奥行きを教えてくれる気がするんですよね。
- 清川村 丹沢大山国定公園の内側に、村のすべてがある、というのが清川村のふしぎなところなんですよね。
- 相模原市 相模野台地の上に、縄文の層と工場の音が、ふつうに重なって存在しているんですよね。
- 寒川町 寒川神社の参道が、ふだんの通勤路のすぐそばにある、という感覚がここにはあるんですよね。
- 座間市 ひまわり畑のそばに、大凧最中を売る店がある、というのが、この町の自己紹介としてちょうどいい気がするんです。
- 逗子市 相模湾の光が、砂浜に白く跳ねるのを見ていると、この場所がふだんの暮らしと海辺をずいぶんうまく同居させているんだなあ、と思うんです。
- 茅ヶ崎市 砂丘の上に立つと、烏帽子岩がぽつんと沖に浮かんでいて、それだけで「ああ、ここだ」という気持ちになるんですよね。
- 中井町 丘の斜面に、みかん畑とくり林が交互に現れる。
- 二宮町 駅のホームに降りると、『朧月夜』のメロディがそっと流れてくるんですよね。
- 箱根町 甘酒茶屋の甘酒は、1619年以降ずっと変わらぬ製法で作られているんですよ、というのが、なんというか、この土地の時間の使い方を物語っている気がします。
- 秦野市 湧き出る水のことを、ここの人たちはふだんの暮らしの中でごく自然に受け取っているんですよね。
- 葉山町 真名瀬漁港の朝市に並ぶはやましらすを見ていると、この町がちゃんと海で生きているんだなあ、とわかるんですよね。
- 平塚市 平塚漁港に朝の光が落ちる頃、水揚げされたばかりの地魚が並ぶんですよね。
- 藤沢市 片瀬漁港から朝に揚がる釜揚げしらすは、ふだんの食卓にのるものなんですよね。
- 松田町 新松田駅のホームを降りると、山の気配がすぐそこにある、というのがわかるんですよね。
- 真鶴町 溶岩台地の縁が、そのまま海に落ちていく。
- 三浦市 三崎漁港の朝は、マグロと一緒に始まるんですよね。
- 南足柄市 大雄山の杉林に足を踏み入れると、空気がすこしだけ変わる、あの感じがあるんですよね。
- 山北町 樹齢2000年を超える箒スギが、中川の集落でいまも守り神として立っている。
- 大和市 相鉄と小田急と東急が、一つの駅の周りにそっと集まっているんですよね。
- 湯河原町 万葉集に詠まれた湯が、今も千歳川沿いに湧いているんですよね。
- 横須賀市 どぶ板通りには、英語の看板と海軍カレーの匂いが、ごく自然に並んでいるんですよね。
- 横浜市 開港以来の商館や住宅が107件も認定歴史的建造物として残るこの港町は、古いレンガと現代のオフィスが同じ通りに並ぶ、ちょっとふしぎな場所なんですよね。