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この場所の物語
砂丘の上に立つと、烏帽子岩がぽつんと沖に浮かんでいて、それだけで「ああ、ここだ」という気持ちになるんですよね。茅ケ崎駅を降りると、東海道線と相模線が交わる小さなターミナルがあって、サザン通りの商店街がそのまま海の方へ続いていくような、ゆるやかなつながりを感じます。
熊澤酒造でつくられる地酒は、市内唯一の酒蔵として、ふだんの夕ごはんにも、ちょっとした手土産にも、自然に手が伸びるものになっているんです。下寺尾官衙遺跡群には7世紀から9世紀の郡衙跡がまとまっていて、船着場まで残っているというのが、なんだかふしぎでいいなあ、と思う。海と暮らしが、ずっとむかしから結びついていたんですね。
7月の海の日には浜降祭が海岸に集まり、8月にはサザンビーチちがさきで花火があがる、という具合に、季節の節目が海とともにある街で、サイクリングロードを自転車で走りながら、あるいは里山公園の北部丘陵を歩きながら、ふだんの一日をゆっくり使えるんです。製造業の拠点でもあるこの街は、観光地の顔と生活者の顔を、どちらも隠さずに持っているところが、すこし、おもしろいんですよね。
神奈川県茅ヶ崎市に泊まる