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この場所の物語
本厚木の駅を出ると、平日の昼間から人の数がちゃんとあって、街がきちんと息をしているんですよね。ソニーや日立Astemoといった会社が市内に根を張り、研究や製造がふだんの暮らしと同じ地面の上にある、そういう産業都市なんです。
でも、駅から神奈川中央交通バスに乗って北へ向かうと、景色がすこしずつ変わって、七沢温泉や飯山温泉のあたりに着くころには、丹沢の山の気配がぐっと近くなる。大山の阿夫利神社や大山寺への道は、江戸のころから大山講の人たちが歩いてきた道で、信仰と山歩きが同じ一本の路にあるのがいいなあ、と思います。
相模川では鮎釣りができて、あつぎ鮎まつりのころには川沿いが賑やかになる。厚木シロコロ・ホルモンやとん漬けは、工場や研究所で働く人たちの腹を満たしてきた、この街のふだん食のような存在で、あつぎ郷土博物館に寄ると、そういう暮らしの積み重なりが静かに並んでいます。平野と山地がひとつの扇のなかに収まっているから、一日のなかで街と自然をどちらも使えるんです。
神奈川県厚木市に泊まる