日本の、ある章
山口県
19の町や村。順位ではなく、ただ並んでいる。まだ、行ってない町がある。
- 阿武町 宇田郷の漁港に、朝の光がおりてくる頃、この町のふだんが静かにはじまるんです。
- 岩国市 錦川の水が、5つの木造アーチをくぐって向こう岸へ渡っていく。
- 宇部市 炭鉱の煤煙が消えた跡地に、彫刻が生えている、というのがこの土地のおもしろいところなんですよね。
- 上関町 海峡の潮の流れが、この町の歴史そのものを運んできた気がするんです。
- 下松市 工場の明かりが海に映る夜と、笠戸島の静かな入り江が、ひとつの市の中に同居しているんです。
- 山陽小野田市 旧小野田セメント製造株式会社の竪窯が、いまも港のそばに静かに立っているんですよね。
- 下関市 関門海峡を渡る風が、陸と海のあいだをすり抜けていくんですよ。
- 周南市 徳山コンビナートの夜、海面に映る炎と光の帯は、ふだん見慣れた夜景とはすこし違う種類の迫力があって、なんだかしばらく立ち止まって眺めてしまうんですよね。
- 周防大島町 ミカン畑の斜面と、油田や三蒲の漁港と、瀬戸内の凪いだ水面が、ひとつの島にぜんぶ収まっているんですよね。
- 田布施町 佐賀漁港の朝は、農漁業の町の素の顔をそのまま見せてくれるんです。
- 長門市 青海島へ渡る橋の上で、風がすこし違う気がするんですよ。
- 萩市 菊屋横丁の土塀を指でなぞりたくなる、あの感じ、わかりますか。
- 光市 白砂と松林が、ずっと続いているんですよね。
- 平生町 室津半島の西側に出ると、海がひらけていて、ちょっとだけ息が深くなるんですよね。
- 防府市 防府天満宮の参道を歩いていると、門前町の石畳と、遠くに見える臨海工業地帯の煙突が、同じ視界に収まるんですよね。
- 美祢市 石灰岩がむき出しになった台地の上に立つと、草原と岩と空だけが広がっていて、ここが山口県の内陸だということをすこし忘れてしまうんですよね。
- 柳井市 白壁の商家が柳井川沿いにならんでいて、その漆喰の白さが、晴れた日の瀬戸内の光とちょうどよく釣り合っているんですよね。
- 山口市 一の坂川のほとりで、初夏にほたるを待っている人たちがいる。
- 和木町 小瀬川の河口が海に溶けていくあたりに、この町はひっそりとあるんですよね。