日本の、ある章
佐賀県
20の町や村。順位ではなく、ただ並んでいる。まだ、行ってない町がある。
- 有田町 トンバイ塀の、あのごつごつした手触りを思い出すんですよね。
- 伊万里市 大川内山の窯元が並ぶ路地を歩いていると、石畳の隙間から磁器を焼く記憶みたいなものが、ふわっと漂ってくる気がするんですよね。
- 嬉野市 嬉野茶の茶葉が、盆地の山ぎわの畑にびっしり並んでいるのを見ると、この土地のふだんの暮らしの密度みたいなものが、すこし伝わってくるんです。
- 大町町 旧長崎街道沿いに、江戸末期の酒屋がそのまま残っているんですよね。
- 小城市 祇園川の水ぎわに、羊羹屋の看板がひっそりと立っているんですよね。
- 鹿島市 白壁の蔵が通りに並んで、海苔の匂いと酒の甘い香りが混じり合う、そういう場所なんですよね、肥前浜宿は。
- 上峰町 平野のまんなかで、よもぎ大福を買う。
- 唐津市 旧唐津銀行本店の煉瓦の壁を指でなぞると、辰野様式の意匠がそのまま残っていて、ちょっとおどろくんですよね。
- 神埼市 神埼そうめんを、すこし多めに茹でてしまう。
- 基山町 基山駅のホームに降りると、甘木鉄道とJRが同じ場所に乗り入れているのが、なんだかいいんですよね。
- 玄海町 リアス式の海岸線に、養殖タイの生けすと風力発電の羽根が並んでいる、というのがこの町のふだんの景色なんです。
- 江北町 鉄道の分岐する駅のそばに、孔子廟があるんです。
- 佐賀市 嘉瀬川のほとりに、古湯温泉の小さな旅館街がひっそりと並んでいるんですよね。
- 白石町 潮が引いた有明海の底は、ふだん海の下にある世界が、そのままひろがるんですよね。
- 多久市 多久聖廟の朱塗りの柱は、1708年に建てられたまま、いまも静かにそこに立っているんですよね。
- 武雄市 楼門の朱が、霧の朝にぼんやり浮かぶのを見ると、ああここは本物だなあ、とおもうんですよね。
- 太良町 潮の引いた有明海の干潟に、竹崎ガニの影がうごめく朝がある。
- 鳥栖市 鳥栖ジャンクションという名前は、地図の上でいつも交差点のかたちをしているんですよね。
- みやき町 筑後川の水と、佐賀平野の土と、天吹酒造の酒が、この町の輪郭をつくっているんですよね。
- 吉野ヶ里町 二重の環濠が、弥生の昔にここで人が暮らしていた証拠として、いまも土の中から顔を出しているんですよね。