日本の、ある章
秋田県
25の町や村。順位ではなく、ただ並んでいる。まだ、行ってない町がある。
- 秋田市 竿燈まつりの夜、腕の上でゆらゆらと揺れる提灯の列を見ていると、この街がずっと「見せること」を大切にしてきた場所なんだなあと、しみじみ感じるんですよね。
- 井川町 東西に細長く、出羽丘陵から八郎潟調整池まで伸びる地形は、眺めるたびにちょっとふしぎな感じがするんですよね。
- 羽後町 出羽丘陵の峰に雪が積もる前、宝泉寺の境内で西馬音内の盆踊の稽古が始まる、という話を聞いたとき、踊りと暮らしがこんなに近いところにあるんだなあ、とおもったんです。
- 大潟村 地平が、どこまでも水平なんですよね。
- 大館市 大館曲げわっぱの薄い木の縁を指でなぞると、江戸時代から続く仕事の丁寧さがそのまま伝わってくるんですよね。
- 男鹿市 しょっつるの、あの発酵した塩気のある匂いを、はじめて嗅いだとき、ちょっとだけ、海の底に立っているような気持ちになるんですよね。
- 潟上市 八郎潟と日本海のあいだに、ひっそりと挟まれた土地なんですよね。
- 鹿角市 きりたんぽの発祥を名乗るこの土地は、鉄砲を担いたマタギの記憶と、縄文の列石が同じ山里に重なっていて、すこし、ふしぎな厚みがあるんですよね。
- 上小阿仁村 秋田杉の木肌は、触れるとすこし温かい気がするんです。
- 北秋田市 米代川の流域に、集落がぽつりぽつりと散らばっているんですよね。
- 小坂町 康楽館の回り舞台が、今もほんとうに回るんですよ。
- 五城目町 500年、朝市が続いているというのは、ただの数字じゃなくて、この町が何を大切にしてきたかを、そのまま言い当てているような気がするんですよね。
- 仙北市 乳頭温泉郷の湯屋は、奥へ奥へと入っていくほど、ふだんの自分からすこし遠ざかっていく感じがするんですよね。
- 大仙市 夏の夜、雄物川の土手に立つと、空が丸ごと花火になる瞬間があるんですよね。
- にかほ市 鳥海山の雪解け水が、田んぼにも、酒にも、ひとの暮らしにも静かにしみ込んでいく土地なんです。
- 能代市 秋田杉の木目が、旧料亭金勇の柱や梁のあちこちにのこっていて、触れるとすこしひんやりしているんですよね。
- 八郎潟町 八郎湖の水が、干拓地の向こうでひっそりと光っている。
- 八峰町 日本海から吹いてくる風が、ハタハタ館の物産棚にまでしみこんでいる気がして、なんだかいいんですよね。
- 東成瀬村 不動滝の水が、修行者の背中を打つ音というのは、どんなふうに聞こえるんだろうと、ふと想像してしまうんですよね。
- 藤里町 ブナの木が、ここまで古くなれるんだなあ、と思う。
- 美郷町 千屋断層が南北に走る、そのことを知ってから歩くと、足の裏の感覚がすこし変わるんですよね。
- 三種町 石油を掘っていたら、しょっぱい湯が湧いてきた、というのが森岳温泉の始まりなんです。
- 湯沢市 川連漆器の艶と、いぶりがっこの煙の香りが、この土地の「ふだん」をそっと教えてくれる気がするんです。
- 由利本荘市 子吉川の河口から、海風がすこし塩っぽく吹いてくる。
- 横手市 雪が積もると、横手の町は別の顔を見せるんですよね。