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この場所の物語
ブナの木が、ここまで古くなれるんだなあ、と思う。岳岱自然観察教育林の遊歩道を歩くと、400年を超えたブナが、ただ静かにそこにいる。白神山地の秋田県側の区域がほぼそのまま藤里町の町域に重なっているから、世界遺産の自然が「観光地の向こう」ではなく、ふだんの道の延長にあるんですよね。
峨瓏峡の白糸二段滝や太良峡の甌穴群は、歩いてはじめてわかる地形の話をしてくれる。藤琴川と粕毛川が山のあいだを流れ、その水の動きが長い時間をかけて岩をこんなふうに削ったんだ、と、遊歩道を歩きながらすこし実感できる。田苗代湿原の高層湿原まで足を伸ばせば、山の上にひろがる湿地という、ちょっとふしぎな地形にも出会える。
サフォーク羊のホゲット肉や白神山地まいたけ、粕毛そばといった食べものは、この土地の産業がそのまま皿に載っているような、正直なおいしさがある。菅江真澄が江戸時代に訪れた記録が残るほど、人が分け入ってきた歴史のある山里で、今もサフォークの館で羊肉を食べたり、白神山地世界遺産センター藤里館で自然の成り立ちを知ったりしながら、一日をゆっくり使える。ここに数日いると、自分がどのくらいの速さで動いていたかを、木々がそっと教えてくれる気がする。
秋田県藤里町に泊まる
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- 駒ヶ岳
山