秋田県 羽後町
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西馬音内盆踊り
顔を見せない踊り手がいる。 深くかぶった編み笠、または彦三頭巾で顔を隠したまま、篝火の前をゆっくりと通り過ぎる。 約700年前から秋田の農村で続くこの盆踊りは、華やかさよりも、…
顔を見せない踊り手がいる。
深くかぶった編み笠、または彦三頭巾で顔を隠したまま、篝火の前をゆっくりと通り過ぎる。
約700年前から秋田の農村で続くこの盆踊りは、華やかさよりも、どこか底知れない静けさを持つ。
踊るのは、名もない人たちだ。顔もない。
だから、見ているうちに、踊り手が誰なのかではなく、なぜ踊るのかを、考えはじめる。
盆とは、死者が帰ってくる夜だ。
顔を隠すのは、生者も死者も、同じ場所に立つためかもしれない。
阿波踊り・郡上おどりと並ぶ日本三大盆踊りのひとつ。ユネスコ無形文化遺産。
出羽丘陵の峰に雪が積もる前、宝泉寺の境内で西馬音内の盆踊の稽古が始まる、という話を聞いたとき、踊りと暮らしがこんなに近いところにあるんだなあ、とおもったんです。
国指定重要無形民俗文化財である西馬音内の盆踊は、この土地に生きる人たちが受け継いできたもので、観に来る側と踊る側の距離が、よその祭とはすこしちがう手触りがあります。鈴木家住宅の中門造の梁の太さや、三輪神社の室町時代から続く本殿の佇まいを目の前にすると、ここに積み重なってきた時間の厚みが、ふだんの散歩の延長でそっと触れられるんですよね。
道の駅うごでは、あきたこまちや西馬音内そばを手に取りながら、この土地の稲作や畜産がどんなふうに続いてきたかを、買い物しながら感じることができます。羽後町立病院が全域に送迎バスを走らせていることも、山に囲まれた暮らしのなかで、人と人がつながる工夫をずっと考えてきた土地なんだなあ、とわかります。
豪雪の冬があって、踊りがあって、あきたこまちの田んぼがある。そういう土地のリズムに自分の時間を重ねてみると、ここでの一日の密度が、すこし変わってくるかもしれないんです。
この地に重なるもの
- 三輪神社
- 三輪神社
- 鈴木家住宅(秋田県雄勝郡羽後町)
- 鈴木家住宅(秋田県雄勝郡羽後町)
- 水沢温泉
- 唐松温泉