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この場所の物語
八郎湖の水が、干拓地の向こうでひっそりと光っている。そこに漁港があって、ふだんの朝がある、というのが、この町の基本的な姿なんですよね。安田の佃煮という名前を聞くと、水辺と台所がまっすぐつながっているような気がして、すこし、うれしくなります。
奥羽本線が通り、国道7号が南北に走っているから、秋田市まで出るのも、そんなに遠くない。八郎潟駅の西側には図書館があって、駅前の一日市商店街には昔からの店が並んでいる。リモートで仕事をしながら、午後に本を読んで、夕方に商店街をぶらぶらする、そういうふだんの一日がちゃんと組み立てられる場所なんです。
高岳山の山頂には副川神社があって、延喜式内社という古さを持ちながら、登山道で今もたどり着ける。叢雲の滝のあたりには修験道の水行地としての記憶が残っていて、歩いているうちに、土地の層の深さにふと気づく。浦城跡はNPOが整備して歴史学習館まで置いているから、昔のことを自分の足で確かめたい人には、ちょうどいい手がかりになるんですよね。
干拓と大火と宿場町の記憶を重ねながら、今もふつうに暮らしが続いている、というのが、この小さな町の、いちばん正直な顔だと思います。
秋田県八郎潟町に泊まる
この場所の中身
この地に重なるもの
- 八郎潟
- 八郎湖
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漁港・港