日本の、ある章
大分県
18の町や村。順位ではなく、ただ並んでいる。まだ、行ってない町がある。
- 宇佐市 宇佐神宮の参道を歩いていると、石畳のひんやりした感触と、大分麦焼酎の蔵の匂いが、どこからともなく混ざり合うんですよね。
- 臼杵市 醤油の甘い匂いが、石畳の路地にじんわりと染み出しているんですよね。
- 大分市 別府湾から吹いてくる風が、漁港の匂いと工場の熱気をいっしょに運んでくる、そういう町なんですよね、大分市というのは。
- 杵築市 武家屋敷風の駅舎を持つ杵築駅を降りると、北台と南台のあいだに谷が挟まり、武家屋敷と町家がサンドイッチのように向き合う城下町の地形がそのまま残っていて、なんだかふしぎな立体感があるんですよね。
- 玖珠町 玖珠盆地を見下ろすと、メサと呼ばれるテーブル状の山々が、いくつもぐるりと取り囲んでいるんですよね。
- 国東市 石仏が、ふつうに道端に立っているんですよ。
- 九重町 地面の下から、この町はずっと熱を出し続けているんですよね。
- 佐伯市 リアス式の入り江が、いくつも折り重なるように海へと続いている。
- 竹田市 岡城跡の石垣をのぼっていくと、くじゅう連山がすぐそこに見えて、ああ、山の中に城があったんだなあ、と、あたりまえのことに気づいたりするんですよね。
- 津久見市 豊後水道の海風が、ミカンの木と石灰石の白さのあいだを吹き抜けていく、そういう港町なんですよね。
- 中津市 周防灘から山国川をさかのぼると、海の町と渓谷の町が、ひとつの地名のなかにすっぽり収まっているのがわかるんですよね。
- 日出町 別府湾の遠浅の海岸に、城下かれいという言葉が静かに残っているんですよね。
- 日田市 三隈川のそばで、日田杉の香りがすこしだけ空気に混じっているんです。
- 姫島村 黒曜石の断崖が、観音崎の高さ40メートルの壁面に、ただそこにある、というぐあいで立っている。
- 豊後大野市 大野川と緒方川が山のあいだを縫うように流れて、九州山地の懐にすっぽりと収まった場所なんですよね。
- 豊後高田市 富貴寺の大堂が、木立のあいだにひっそりとある、というのがいいんですよね。
- 別府市 湯けむりが、坂の途中でふっと立ちのぼっているんですよね。
- 由布市 由布岳を仰ぐ盆地に、湯の煙がゆっくりと立ちのぼる朝というのは、ちょっとほかでは見かけない景色なんです。