日本の、ある章
石川県
19の町や村。順位ではなく、ただ並んでいる。まだ、行ってない町がある。
- 穴水町 牡蛎の養殖棚が、湾の水面にいくつも並んでいるんですよね。
- 内灘町 砂丘の上に、アカシアの防風林がある。
- 加賀市 赤瓦と石垣の並ぶ加賀橋立の路地を歩くと、北前船で財を成した商人たちの屋敷が、今もそのままの顔で立っているんですよね。
- 金沢市 近江町市場の鮮魚のにおいと、長生殿の上品な甘さが、同じ一日のなかに並んでいる、というのがこの町のおもしろさなんですよね。
- かほく市 内灘砂丘の土が、ルビーロマンやすいかをそだてているんですよね。
- 川北町 手取川の伏流水が地面の下を流れているせいか、この平野の土は、どこかしっとりとした重みがあるんですよね。
- 小松市 九谷焼の絵付けと、コマツの建設機械が、同じ町でつくられているというのが、まずちょっとおもしろいんですよね。
- 志賀町 日本海に向かって、ヤセの断崖がざっくりと切り立っている。
- 珠洲市 珪藻土を素手でこねて七輪を成形する、その動きがこの土地のふだんを教えてくれる気がするんです。
- 津幡町 北陸道が能登へと分かれる、その古い分岐点に、津幡という町はあるんですよね。
- 中能登町 石動山の修験道遺跡を歩くと、院坊がいくつも連なっていた中世の気配が、地面のかたちにうっすら残っているんですよね。
- 七尾市 七尾和ろうそくの炎が、仏壇の金箔にゆっくり映るのを想像すると、この町の奥行きがすこしわかる気がするんです。
- 能登町 リアス式の入り江が折り重なる九十九湾の岸辺で、イカ漁の船が朝の光に揺れている。
- 野々市市 御経塚遺跡の竪穴建物が、史跡公園のなかにそのまま復元されているんですよね。
- 能美市 九谷焼の絵付けを間近で見ると、あの五彩の色づかいが、手のひらのうえでほんとうに光るんですよね。
- 羽咋市 波打ち際を、車で走れる砂浜があるんですよね。
- 白山市 牛首紬の糸を手で触れてみると、その太さのむらが、かえって布に奥行きをつくっているんですよね。
- 宝達志水町 宝達山の頂から見渡すと、能登半島の丘陵と日本海がひとつながりに見えて、ああ、ここは付け根なんだなあ、と思うんですよ。
- 輪島市 漆を塗り重ねるように、輪島には積み重なった時間があるんですよね。