鍋・汁
奈良県 奈良市
奈良のっぺ
さちとあじ · FOOD & DRINK
里芋や大根を煮て、汁ごと椀に取る。とろみは芋から出る。
この場所の物語
とろみは、里芋のほうから出てくるんですよ。里芋、厚揚げ、大根、人参、干し椎茸、こんにゃく。それを、昆布と干し椎茸の戻し汁でことこと煮ていきます。魚も肉も使わない、精進の仕立てになります。とろみを出すのに、粉のたぐいはいっさい使いません。
のっぺは、もとはのっぺいと言い、濃餅と書くそうです。春日大社のおん祭は、12月17日に行われます。その前の15日、おん祭を執りおこなう大和士が身を清める大宿所祭があります。そこで、大和士や参拝の人へ、これがふるまわれるんですよ。神事の日の献立として、いまも続いています。
おん祭が始まったのは、平安の1136年のことでした。飢饉と疫病が広がっていたので、民の平安を願って藤原忠通が祈りを捧げたのが始まりです。この時季になると、のっぺに入れる3センチ角ほどの厚揚げが店に並びます。煮崩れた芋が、そのまま汁のとろみになります。粉を足さないぶん、あとに残らない口当たりでした。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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