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この場所の物語
熊野灘に二股の崎として突き出した地形が、この町の気質をそのまま表しているような気がするんです。太地は、江戸時代から捕鯨で栄えてきた町で、海との関わりが暮らしの芯にまで届いている。
太地町立くじらの博物館に足を踏み入れると、鯨骨格標本や古い漁具がずらりと並んでいて、網取法から追い込み漁まで、技術が積み重なってきた長い時間をじわりと感じます。くじら踊りや太地浦勇魚祭といった祭事が今も続いているのは、それが観光のためじゃなくて、海で生きてきた人たちの記憶として残っているからなんだと思うんです。
森浦湾と太地湾、ふたつの湾に挟まれた漁港の町で、夏山なつさ温泉がひっそりとあるのもいいなあ、と思います。ゆっくり滞在して、鯨肉を食べて、くじら浜公園を歩いて、湯に入る。そういうふだんの積み重ねのなかに、この町の手触りがある。吉野熊野の自然公園にも近く、海と山がすこしずつ混ざり合っているような場所なんですよね。
和歌山県太地町に泊まる
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