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この場所の物語
梅の木が、山の斜面をどこまでも埋めているんですよね。南高梅の産地として世界農業遺産に登録されたこの土地では、梅干しをつくることが、ふだんの暮らしのなかに深く根を張っている。紀州梅干館に立ち寄ると、その製造と文化の重なりが、ひとつひとつの工程から伝わってきます。
海のほうに目を向けると、南部湾の沖合に鹿島が浮かんでいて、その静けさがすこし、ふしぎでいいなあと思う。千里の浜は熊野古道の一部でもあって、白砂の上を歩きながら、ずっと昔の人も同じ道を歩いたんだなあと、じんわり感じます。堺や南部の漁港からは、イワシやアジやタチウオが水揚げされていて、干物や蒲鉾として加工されていく。その一連の流れが、この町の空気にしっかり染みついているんです。
備長炭の火おこしの音や、梅の香りが混ざり合うこの場所で、すこし長くいると、自分のふだんの暮らしのペースがゆっくり変わっていく気がします。みなべ温泉や千里浜温泉で湯に入って、夕方の漁港を眺める。そういうちょっとした時間の積み重ねが、この土地の手触りなんですよね。
和歌山県みなべ町に泊まる
この場所の中身
この地に重なるもの
- 南部
- 岩代
- 堺
- 南部
- 大目津
駅
漁港・港