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この場所の物語
たらいうどんを囲む人たちの声が、吉野川の北岸にはよく似合うんです。丸い桶に麺を浮かべて、川の水に足をつけるみたいにして食べる、あのゆるさが、この町の日常の手ざわりをそのまま表している気がして。
切幡寺の大塔や、野神の大センダンの根元をたどっていくと、信仰と農の暮らしがずっと同じ地面の上に重なってきたことが、じんわりとわかってくるんですよね。四国八十八箇所の第七番から第十番までの四ヶ寺が、この市のなかにぜんぶ収まっているというのも、遍路道がここではふだんの道と地続きになっているということで、歩いている人を見ていると、それがとてもよくわかります。
阿波地域交流センターに物産館と子育て支援が一緒に入っているように、暮らしの機能がひとつ屋根に集まっているところも、この土地のおおらかさを示しているようで、いいなあと思うんです。吉野川デルタの平野と阿讃山脈に挟まれた地形のなかで、農業と信仰と食が、べつべつのものとしてではなく、ひとつの景色として続いている、そういう町です。
徳島県阿波市に泊まる
この場所の中身
この地に重なるもの
- 野神の大センダン
- 阿波の土柱
- 切幡寺大塔
文化財