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この場所の物語
狭山茶の茶葉が、ふだんの食卓にそっとある、という感じがするんですよね。この土地は、入間川を軸に武蔵野台地と入間台地が向き合う、比較的なだらかな地形のうえに広がっていて、東京への西武鉄道の路線が日常の足になっている。急ぎすぎない、でも止まってもいない、そういうぐあいの暮らしが根付いている場所です。
さやま大茶会という祭事があるくらいで、茶業はこの土地の産業としてちゃんと続いていて、狭山抹茶「明松」やさやまっ茶プリンといった形で、いまの暮らしにも溶け込んでいるんです。鎌倉街道上道が通り、入間川宿として人が行き交った歴史を持ちながら、1960年代以降はベッドタウンとして育ってきた。その重なりが、狭山市立博物館のような場所に、すこし静かに残っています。
長く滞在して、朝に茶の香りを感じながら入間川の河岸を散歩して、夕方に西武線で都心へ出る、という日々は、案外しっくりくるんじゃないかなあ。西南の遠くに富士山を望めることも、ふとした朝に発見して、うれしくなる、そういう土地です。
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