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この場所の物語
丘の斜面に、穴がいくつも、いくつも、口を開けているんですよね。吉見百穴は古墳時代の横穴墓群で、その暗がりの奥にヒカリゴケが自生していて、国の天然記念物にもなっている。死者を納めた穴の中に、ひっそりと光る苔がいる、というのが、なんだかふしぎでいいなあと思うんです。
そして同じ穴の中に、戦時中の軍需坑道の跡まで重なっている。古墳時代から、戦争の時代まで、地層みたいに歴史が積み重なっているのが、この町の素の表情なんですよね。松山城跡のある比企丘陵の西側と、荒川低地の田んぼが広がる東側と、地形そのものも二つの顔を持っていて、歩くたびに少しずつ景色が変わっていく。
ふだんの暮らしの場としては、工業団地や住宅団地もあって、田園の中に人の生活がちゃんと根を張っている。遺跡を眺めながら散歩して、夕方には田んぼの向こうに空が広がる、そういうちょっとした時間が、毎日のリズムになっていくような町です。
埼玉県吉見町に泊まる
この場所の中身
この地に重なるもの
- 吉見百穴
- 吉見百穴ヒカリゴケ発生地
文化財