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この場所の物語
塩川の水をすくうと、ほんのり塩気がある、というのが、この土地の不思議さをいちばんよく言い当てている気がするんです。淡水と塩水が混じって湧き出る川なんて、ほかでは聞いたことがないけれど、本部にはそれがふつうにそこにある。
海洋博公園のそばに暮らすと、平日の朝、沖縄美ら海水族館の開館前に散歩する、というような時間が生まれてくるんですよね。浜崎の漁港でソデイカを水揚げしている人たちの声を聞きながら、アセロラやタンカンを買いに立ち寄って、ゆっくり一日を組み立てていく、そういうふだんの暮らしのリズムが、ちゃんとここにはあるんです。
瀬底土帝君の石造りの小さな祠が、18世紀からずっとここにある、ということを思いながら歩くと、観光地としての本部とは少しちがう顔が見えてくるんです。リュウキュウアイの藍染や木工芸を手がける工房が点在していて、ものをつくる人たちが、この半島の地形のなかに、ちゃんと根を張っているんだなあ、と感じます。本部港から伊江島へのフェリーが出ていく光景を眺めていると、ここが島々をつなぐ、ひとつの結び目なんだということも、じんわりわかってくる。
沖縄県本部町に泊まる
この場所の中身
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