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この場所の物語
赤瓦の屋根が、フクギの緑にすっぽりと守られている。那覇から船で渡る、沖縄県でいちばん小さな面積の村、渡名喜島は、集落ごと重要伝統的建造物群保存地区に選ばれているんですよね。掘り下げ屋敷の石垣の低さや、路地のくねり方が、ここでしか見られない暮らしの型を、そのまま今に残しているんです。
渡名喜港に船が着くと、土産品の販売がはじまる。その時間だけ、島に小さなざわめきが生まれて、またしずかに戻っていく。民宿は村に4軒だけで、モチキビや手作り菓子や漬物が、ふだんの食卓の延長として手に入る。自炊しながら何日か過ごしていると、船の時刻が自分の時間割になってくるんだなあ、と気づく。
観光のために整えられたものが、ここにはほとんどない。だから、フクギに囲まれた渡名喜番所跡の前で立っていると、自分が旅人なのか、すこし島に混じりはじめているのか、わからなくなってくる。その境目のあいまいさが、この島のいちばんの手触りかもしれないんです。
沖縄県渡名喜村に泊まる
この場所の中身
島の上にあるもの
- 渡名喜村渡名喜島
- 渡名喜
文化財
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