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この場所の物語
不知火海の光が、タチウオの銀色によく似ているんですよね。丸島や湯堂の漁港から水揚げされるちりめんやいりこは、ふだんの食卓にそのまま置けるくらい、暮らしに近い顔をしている。
三方を山に囲まれた地形のなかで、久木野川の上流に棚田があって、農林水産省の棚田百選にも選ばれているんです。湯の鶴温泉の湯治場としての静けさと、海沿いの湯の児温泉のひらけた気配とが、同じ市の中に並んでいる、そのぐあいがすこしおもしろい。
水俣病という重い歴史を経て、この町は環境都市づくりという方向に歩みを向けてきました。みなまた環境テクノセンターが設立されたのが1999年で、資源循環型社会という言葉を、看板だけでなく産業の形でじっさいに動かしてきた。廃駅の久木野駅跡地に建てられた「棚田の駅 愛林館」には、山野線の記憶がそのまま展示されていて、消えたものをちゃんと残しておこうという、この町の几帳面さみたいなものが伝わってくる。
新水俣駅は建築家渡辺誠の設計で、くまもとアートポリス推進賞を受けた建物です。九州新幹線でここに降り立つと、サラダたまねぎや柑橘類の産地であることと、公害の歴史と、環境再生の現在とが、ぜんぶ同じ地面の上にある、ということが、すこしずつわかってくるんです。
熊本県水俣市に泊まる
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- 新水俣
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