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この場所の物語
牧草の匂いと、冬の雪の重さを、そのまま瓶に詰めたような場所なんですよね。北上高地の山々が町の四方をぐるりと囲んで、くずまきワインの葡萄も、くずまき高原牧場の牛たちも、その地形のなかでふだんの仕事をつづけている。鉄道も高速道路も通っていないから、ここへ来るには自分の意志で、すこし遠回りをしなければならない。それがかえって、この町の自立した気配を守っているような気がするんです。
森が町の大半を占めて、冬は雪が深く積もる。それでも、地場の産業を自分たちで回す工夫を積み重ねてきた。グリーンテージくずまきに荷物を置いて、牧場やワイナリーをゆっくり歩いていると、暮らしと仕事がすぐそこで繋がっている手応えを、体でわかるんですよね。PC一台でどこでも働けるひとにとっては、その「繋がりのある場所」がなんとも落ち着くんじゃないかなあ。
日本の農村がどういうふうに自分を養ってきたか、それを肌で感じたいひとには、葛巻町はとても正直な場所だと思うんです。
岩手県葛巻町に泊まる