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この場所の物語
利根川と新利根川のあいだに、細長くのびた低い土地がある。河内町は、江戸期からの干拓によって人の手でつくられた地面の上に、いまも静かに農村の日々を積み重ねていて、水と土がとても近いんですよね。田植え体験祭や収穫祭が今もふだんの暦のなかにあって、それがよそ者にとっても、ちゃんと入り口になっているのがいいなあと思う。
長竿の祇園祭やどんどん焼きといった祭事が、集落の名前とともに残っているのも、この土地の手触りをよく表している気がする。干拓でできた地面は、どこか人の意志の痕跡そのもので、暮らしの根っこが深いところに埋まっているんです。国道408号が通り、隣接する町々とつながってはいるけれど、日々の空気はずっと静かで、人の少なさが、ここでの時間をゆったりとしたものにしてくれる。
PCを開いて仕事をしながら散歩に出ると、水路沿いの低地がどこまでも続いていて、自分がいまどこにいるのかを、土地がやさしく教えてくれるような感じがある。常総大橋や長豊橋を渡るたびに、かつての常陸と下総の境をまたいでいることを思い出すのも、すこしふしぎでいいなあ。
茨城県河内町に泊まる