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笠間の陶炎祭(ひまつり)
作家の数だけ、器のかたちがある。 茨城・笠間。関東有数の焼き物の里。ゴールデンウィークに、陶炎祭(ひまつり)が開かれる。 出店は、二百以上。窯元、陶芸家、個人の作家。 笠間焼の特徴…
作家の数だけ、器のかたちがある。
茨城・笠間。関東有数の焼き物の里。ゴールデンウィークに、陶炎祭(ひまつり)が開かれる。
出店は、二百以上。窯元、陶芸家、個人の作家。
笠間焼の特徴は、特徴がないこと。これでなければならない、という決まりがない。だから、作家それぞれが、自由につくる。素朴な民芸も、前衛的な造形も、同じ市に並ぶ。
つくり手が、自分のテントで店番をする。客が、器を手に取る。これ、いいですね。作家が、嬉しそうに頷く。
買う側と、つくる側。その距離が、ここにはない。
起源は1982年。陶芸家たちが、自分たちの手で始めた市である。
決まりがないから、自由がある。多様であることが、この市の豊かさだ。
茨城・笠間を代表する陶器市。
笠間焼の器を手に取ると、土の粒子がそのまま指先に残るような、あの少しざらりとした感触があるんですよね。涸沼川の流れる笠間盆地に、ものをつくる人と、ものを信じる人が、ずっとまじりあって暮らしてきた土地なんだなあ、と思います。茨城県陶芸美術館や茨城県立笠間陶芸大学校があって、陶芸をほんきで学びたい人が自然に集まってくる、そういう場所でもあるんです。
友部駅で常磐線と水戸線が交わっていて、秋葉原方面への高速バス「関東やきものライナー」も出ているから、東京とのあいだを行き来しながら、ここにいる時間をたっぷり使う、という暮らしかたがしやすいんです。道の駅かさまに立ち寄ると、栗や菊など、この盆地でとれたものがならんでいて、ふだんの買い物がそのまま土地を知ることになる、いいぐあいがあります。
笠間稲荷神社の門前をすこし歩くと、参拝客の流れと、陶器を見にきた人の流れが、さりげなくまじっていて、それがこの町のふつうの景色なんだなあ、と気づきます。合氣神社や愛宕神社まで足を延ばすと、信仰とものづくりと自然が、ちいさな盆地のなかにぎゅっと重なっていることが、からだでわかってくるんですよね。
茨城県笠間市に泊まる