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この場所の物語
キャベツ畑の向こうに、平らな空がどこまでも続いている。そういう景色が、この町のふだんの顔なんですよね。三方を川に囲まれた幌向原野の田園地帯で、札幌圏へのバスが発着する南幌ビューローは、農村と都市のあいだをつなぐ、ちょっとした結節点になっています。
長く滞在するほど、この土地の重なりに気づいていくんです。1901年に寺号を公称した菩提寺や、登録有形文化財の旧幌向駅逓所など、開拓期の痕跡が、新しい住宅地のすぐそばに、ごく自然に立っている。その落差が、妙におだやかで、いいなあと思います。
なんぽろ温泉ハート&ハートの露天風呂で湯につかって、名物のキャベツ天丼を食べる。それだけで、一日がちゃんと完結するような手ごたえがある。自炊しながら畑の近くで過ごすのも、週末だけ来て温泉に浸かるのも、どちらもこの土地はすんなり受け入れてくれるんです。アイヌ語で「湾曲して緩やかに流れる所」を意味するポロモイという言葉が、土地の気質をそのまま言い当てているような気がします。
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