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この場所の物語
石狩川の左岸に広がる農地に、メロンやユリ根が育っているんですよね。土の上でそういうものが実っているのを知ると、この土地が炭鉱の町だったという歴史が、すこし遠いことのように感じられる。
でも、奈井江砂川インターから国道12号を走ると、夕張山地のほうにむかって地形がすこしずつ変わっていって、かつて住友鉱業の炭鉱があった東のほうへと気持ちが向くんです。1971年の閉山から半世紀以上が経って、いまはその跡地のそばに農地と工業の暮らしが続いている。奈井江発電所も長いあいだこの町の景色の一部だったけれど、それもいずれ姿を消す予定で、土地は静かにかたちを変えつつあるんだなあ、と思う。
JR奈井江駅を降りて、国道沿いのふだんの風景を歩いていると、派手なものは何もないんですよ。それでも、米やトマトをつくる農家の仕事と、福祉に力を入れる町の姿勢が、地面のすぐそこにある感じがする。遠くから来た人には、その「ふつうの地面の近さ」が、かえって記憶に残るかもしれない。
北海道奈井江町に泊まる
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この地に重なるもの
- 奈井江
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