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この場所の物語
伊勢崎絣の糸が織り込まれてきた土地には、いまも商家の佇まいや寺社の石畳が、ふだんの道の脇にそっと残っているんですよね。相川考古館は江戸時代の商家をそのまま使っていて、埴輪の重要文化財と茶室での抹茶が、同じ建物の中に並んでいる。そのぐあいが、この町の積み重なり方を、正直に教えてくれる気がします。
絹織物から機械製造へと産業が移ってきた歴史の厚みがあるぶん、暮らしの地盤がしっかりしていて、JR両毛線と東武伊勢崎線が市街を貫いているから、どこかへ出かけるときの選択肢もちゃんとある。北関東自動車道の伊勢崎ICから市街まで近く、車があれば生活の半径がさらに広がるんです。焼きまんじゅうを売る店が初市の季節に伊勢崎神社の境内に並ぶ光景は、移り住んだ人も、旅の途中に立ち寄った人も、同じ場所で同じ煙を浴びることになる、そういう開かれた祭りなんだなあ。
利根川や波志江沼が近い平坦な地形は、自転車でぐるりと回るのにちょうどよくて、華蔵寺公園の広さもあいまって、週末の散歩がさりげなく豊かになる。銘仙という言葉を知らなくても、上植木廃寺跡の軒瓦の模様を見れば、この土地がどれだけ長い時間をかけて今日に来たかが、すこし伝わってくると思うんです。
群馬県伊勢崎市に泊まる
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