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この場所の物語
大賀ハスの花が、大池公園の水面にぽつりぽつりと開く季節があるんですよね。その池のほとりで、ただ散歩しているだけで、この町の時間のぐあいがわかってくる気がします。
矢吹という地名が、奥州街道と棚倉街道の追分にあたる場所だったことを知ると、「ああ、ここはずっと通り道でもあり、止まる場所でもあったんだな」と思います。東北自動車道のインターが近く、矢吹駅はグッドデザイン賞を受けた駅舎で、いまも人と荷物が行き来している。歴史のかたちが、ちゃんとふだんの交通に続いているんです。
農地が町域の半分以上を占めていて、阿武隈川や隈戸川がそのあいだをゆっくり流れている。なだらかな平地に、古墳群や城跡がさりげなく残っていて、散歩の途中でふと出会えるんです。あゆり温泉の湯に入って、旧飛行場跡地に建てられた文化センターの大ホールのことを思うと、この土地が重ねてきた層の厚さに、すこし驚かされます。
戦後の開拓地として田畑を切り開いてきた記憶と、いまも続く農業の暮らしが、矢吹町のいちばん素の表情なんだと思います。
福島県矢吹町に泊まる
この場所の中身
この地に重なるもの
- 矢吹
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