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この場所の物語
鮫川が山のあいだをゆっくりと東へ向かって流れていて、その両岸に田んぼと集落が、ぴったり寄り添うように並んでいるんです。阿武隈の山地に抱かれた古殿の地形は、国道349号を走るだけでも、ああ、ここは山里だなあ、とすぐにわかる。
道の駅おふくろの駅に寄ると、地元の農産物が棚に並んでいて、ふだんの暮らしがそのまま出てきているような感じがするんですよね。PCを開いて仕事をする日も、買い出しはここで、という暮らし方が、すこしずつ像を結んでくる。
古殿八幡神社の流鏑馬・笠懸は、県の重要無形民俗文化財に指定されていて、1064年から続く祈りの場所がいまも動いているというのが、なんともふしぎでいいなあ、と思うんです。越代のサクラは樹齢400年を超えるヤマザクラで、4月の終わりから5月のはじめにかけて花を開く。その一本の木の前に立つと、時間の深さというものが、ちょっとだけ体に届いてくる気がします。
福島県古殿町に泊まる