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この場所の物語
雪の重さに耐えるように、民宿の屋根がどこも同じ角度に揃っている。その統一感が、この村を初めて訪れた人に、ここには独自の秩序があるんだということを、ことばよりも先に伝えてくれるんですよね。標高920メートルを超える山間盆地に、檜枝岐温泉の湯けむりと、裁ちそばの香りが、ふだんの暮らしとして混じり合っている。
桧枝岐の舞台で江戸のころから続く農村歌舞伎が上演されてきたことを知ると、この山の奥に、こんなに豊かな表現の場があったのかと、すこし驚いてしまう。只見川の源流域で、焼畑から民宿へと生業を変えながら、それでも自分たちの文化を手放さなかった人たちの、静かなしぶとさみたいなものが、村のあちこちに残っている。山人料理をいただきながら、その重なりをぼんやり考えるのは、なかなかいい時間なんです。
尾瀬沼へ向かう前の朝、道の駅尾瀬檜枝岐で地図を広げると、燧ヶ岳と会津駒ヶ岳が、この村をぐるりと囲んでいることがわかる。林野が面積のほとんどを占めるこの土地は、ふだんの生活の延長で自然の中に入っていける場所として、何日いても飽きないんだなあ、と思う。
福島県檜枝岐村に泊まる
この場所の中身
この地に重なるもの
- 尾瀬
- 日光
- 越後三山只見
- 燧ヶ岳
- 駒ヶ岳
自然公園
山