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この場所の物語
磐城塙駅の建物に、図書館が入っているんですよね。グッドデザイン賞を受けた駅舎と、蔵書が並ぶ棚が、同じ屋根の下にある。電車を待ちながら本を読む、というふだんの時間の使い方が、この町では当たり前のこととして根づいているんです。
久慈川を挟んで東に阿武隈、西に八溝の山が迫るこの地は、江戸の頃から幕府直轄の天領として塙代官所が置かれた場所で、道の駅はなわの愛称「天領の郷」にはその記憶がそっと残っています。こんにゃくやりんご、ダリア染めといった産品が農産物直売所に並んでいて、棚を眺めているだけで、山あいの暮らしの手つきが見えてくるんです。
山中の湯岐温泉や、山あいに一軒だけ建つ志保の湯温泉は、温泉そのものより「そこにたどり着くまでの道のり」を含めて体験なんだなあ、と思います。湯遊ランドはなわのオートキャンプ場で泊まって、翌朝また図書館に寄っていく、という過ごし方も、この町ではなんだか自然に思えてきます。漫画グランプリの開催地でもあるはなわ漫画廊があるなど、静かな山間の町に、思いがけない創意がひっそり同居しているのが、塙町のおもしろいところなんですよね。
福島県塙町に泊まる
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- 磐城塙
駅