推定樹齢千年を超えるエドヒガン、馬場ザクラが、春になると村の空気をすこし変えるんです。源義家の伝承を持つその木は、安達太良山の裾野に広がる扇状地のなかに、ふだんと変わらぬ顔でそこにある。大玉村というのは、そういう土地なんですよね。古いものと新しいものが、あまり主張しあわずに並んでいる。
フォレストパークあだたらの森は標高のある森林公園で、オートキャンプ場と温泉施設がそろっているから、荷物を持ち込んでしばらく滞在するのにちょうどいいぐあいなんです。PCを開いたり、本を読んだり、湯に入ったり、そういうふだんの動きが、森の中でもわりと自然にできる。
向山製作所の生キャラメルは、もともと電子部品をつくっていた会社が手がけているというところが、なんだかおもしろいんですよ。ものをつくることへの向き合いかたが、ちょっとちがう角度から積み重なってきた場所、という感じがする。マチュ・ピチュと友好都市協定を結んでいるという話も、遠い土地とつながりを持とうとする村のひとたちの、すこし大きな視野を教えてくれます。
郡山市と二本松市のあいだ、阿武隈川沿いの扇状地に広がるこの村は、交通の便がないわけでもなく、かといってにぎやかすぎるわけでもない。三ツ森ダムのまわりで山菜を探したり、安達太良大橋を渡って隣の市へ買い物に出たり、そういうちょっとした往来が、ここでの暮らしの骨格をつくっているんだなあ、と思います。
福島県大玉村に泊まる
この地に重なるもの
- 馬場ザクラ
- 磐梯朝日