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この場所の物語
最上川の流れが、ここでは峡谷の岩肌を削りながら西へ向かうんですよね。舟に乗って最上峡を下ると、川面から見上げる地形のぐあいが、地図で見ていた村の印象とはまるでちがう。白糸の滝が崖の向こうに現れるとき、松尾芭蕉がここで言葉を探したのも、なんとなくわかる気がします。
今神温泉は、湯治専門の一軒宿で、白装束で念仏を唱えながら入るという。そういうふうに、この土地の温泉には、ただ疲れを流すのとは少しちがう、古い祈りのかたちが残っているんです。道の駅とざわの高麗館に立ち寄って、戸澤流キムチや山菜を手に取っていると、ふだんの暮らしと観光の境目が、ゆるやかにほぐれていくような感じがあります。
陸羽西線の古口駅から舟下りの乗り場まで歩くほんの短い道のりが、この村での時間の単位になる。水運で栄えた歴史と、鉄道が通り、国道が開かれてきた積み重ねが、川沿いのすこし不思議な景色をつくっていて、ここに長くいると、そういう重なりのぐあいが、じわじわ見えてくるんです。
山形県戸沢村に泊まる
この場所の中身
この地に重なるもの
- 磐梯朝日
- 今神温泉
- 古口
- 津谷
- 高屋
自然公園
温泉
駅