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この場所の物語
赤煉瓦の窯が、ひっそりと野木の空気を引き受けているんですよね。ホフマン式輪窯として国の重要文化財に指定されたその建物は、明治の工業がこの平らな土地に刻んだ痕跡で、見上げると煉瓦の積み方がきっちりしていて、ちょっとうれしくなる。
野木駅からJR宇都宮線で東京へ向かう人たちの毎日と、ひまわりフェスティバルに合わせてシャトルバスが走る夏の週末とが、同じ駅のホームで重なっているのが、この町のふだんの顔なんだと思う。野木ローズタウンに町の人の多くが暮らし、図書館の貸出が盛んで、サッカー場では天皇杯予選も行われる、そういう生活の密度がある。
渡良瀬遊水地の広い低地が町の南西に広がっていて、思川が西を流れる、その平坦な地形のなかで、ひまわり油やひまわりナッツがつくられているのも、なんだかこの土地らしい選び方だなあと思う。農業と工業と宿場の記憶を、ひまわりという一本の茎でゆるく束ねているような、そういうぐあいの場所なんです。
栃木県野木町に泊まる
この場所の中身
この地に重なるもの
- 旧下野煉化製造会社煉瓦窯
- 野木
文化財
駅