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この場所の物語
思川のほとりに、湯けむりのたつ場所があるんです。小山温泉 思川は市民の憩いの場として知られていて、東北新幹線で東京都心から約40分という近さのなかで、こういう場所がふだんの生活に溶け込んでいるのが、この土地のおもしろいぐあいだなあと思う。
平坦な関東平野の地面の下には、縄文の祭祀の跡がある。寺野東遺跡には旧石器から近世までの層が重なっていて、小山市立博物館ではそういった歴史の堆積を、ゆっくり手がかりをたどるように見ることができるんですよね。祇園城跡や鷲城跡が街のなかにそっと残っているのも、歩いていてすこし、ふしぎないい感じがする。
結城紬という織物がこの土地の産物として根づいていて、農業と工業と交通の要所として育ってきた街に、そういう手仕事の記憶がちゃんとあるのが、なんかうれしいんですよね。新4号国道が走り、両毛線や水戸線も通って、どこへでも出やすい。それでいて、間々田八幡宮では国の重要無形文化財「間々田のジャガマイタ」が奉納される。行き来しやすい場所に、動かない祭りがある。そのバランスが、小山のふだんの暮らしをちょうどよく支えている気がするんです。
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