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この場所の物語
池山水源の水は、くんだそばから飲める透明さで、手のひらに受けるとひんやりと重い。産山村は阿蘇くじゅう国立公園の山あいにあって、外輪山と九重連山のあいだに、ふだんの農村の時間がそのまま続いているんですよね。うぶやま牧場の草地も、扇田の棚田も、誰かが毎朝手を入れているからこそ、あのかたちでそこにある。
長くここにいると、水と牧草と棚田が、この村の暮らしの骨格だということが、だんだんわかってくるんです。花の温泉館でひと息ついたあと、ぼんやり外を見ると、阿蘇の文化的景観という言葉が、ちょっとだけ実感をともなって聞こえてくる。それは観光のための景色じゃなくて、人が何代もかけてつくってきた、生きた地面なんだなあ、と。
健磐龍命の嫡孫が産まれたという伝説が村名の由来になっているくらいだから、この土地には、古い記憶がずっと地面の下に流れているような感覚がある。山吹水源の水もそうで、地面から湧いてくるものに、ここの人たちはずっと頼って、ずっと大切にしてきた。そのことが、ふだんの景色のなかに、静かにしみこんでいるんです。
熊本県産山村に泊まる
この場所の中身
この地に重なるもの
- 阿蘇の文化的景観 産山村の農村景観
- 阿蘇くじゅう
文化財
自然公園