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大洗海上花火大会
太平洋に、花火が立つ。 大洗。茨城の海辺のまち。目の前にひろがるのは、さえぎるもののない太平洋。その水平線に、花火が上がる。 砂浜が、まるごと特等席。波打ちぎわまで、人が腰をお…
太平洋に、花火が立つ。
大洗。茨城の海辺のまち。目の前にひろがるのは、さえぎるもののない太平洋。その水平線に、花火が上がる。
砂浜が、まるごと特等席。波打ちぎわまで、人が腰をおろす。海風が、煙を沖へはこんでいく。
水面に映る光。打ち上げの音と、波の音。
大きな海の前では、花火も、人も、小さい。だからこそ、その光が胸にしみる。
暖流と寒流がぶつかる潮目の海岸線は、生息する海藻の種類がとても豊富で、磯に降りるたびに、海の底がどれだけ賑やかかを教えてくれるんですよね。大洗港からは苫小牧へのフェリーが出ていて、港町としての体温が、ふだんの暮らしのすみずみに染み出している感じがします。アンコウや鹿島灘はまぐり、涸沼しじみといった食べものが、この場所の地形そのものを舌で確かめさせてくれるんです。
大洗鹿島線の大洗駅を降りると、アニメ『ガールズ&パンツァー』の聖地としての気配と、磯浜古墳群や大洗磯前神社が伝える古い時間とが、同じ道沿いに並んでいて、すこし不思議な気持ちになります。大洗あんこう祭や大洗海上花火大会のような祭事が一年をかたちづくっていて、この町に長くいると、そのリズムに自分の暮らしが合ってくる感じがあるんです。
アクアワールド・大洗のマンボウ専用水槽を見た訪日客が、神磯の鳥居のほうへ歩いていく姿を見ると、この町が持っているものの重なりの厚さに、あらためてうれしくなるんです。
茨城県大洗町に泊まる