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この場所の物語
古河駅のホームに降り立つと、東京から1時間ほどの距離なのに、空がずいぶん広いんですよね。関東平野の西の端まで来たんだな、という感覚が、ちゃんと体に届く。
古河総合公園の旧飛田家住宅や旧中山家住宅を歩くと、17〜18世紀の農家建築がそのまま残っていて、城下町の時間の重なりがすこし、ふしぎなくらいそこにある。古河歴史博物館に寄れば、古河公方から江戸の水運まで、この土地がどれだけ長く「通り道」であり続けたかが、じんわりわかってくるんです。
暮らしの地図として見ると、丘里工業団地や北利根工業団地に食品工場が集まっているから、ギンビスやジャパンフリトレーの製品がごく近くで作られている、という日常の手ざわりがある。国道4号が南北に通り、栃木・埼玉とも生活圏が重なるから、どこか一か所に縛られない、ゆるやかな多拠点感がこの街には似合うと思うんです。
古河桃まつりのハナモモが咲く公園も、古河文学館の永井路子の書棚も、ふだんの散歩コースとして使える距離にある。歴史と工場と、それからお茶——さしま茶の産地でもあるこの土地は、大きな看板を立てずに、ちゃんと豊かなんですよね。
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