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帯広・ばんえい競馬
世界で唯一の競馬が、ここにある。 北海道・帯広。ばんえい競馬は、重種馬がソリを引いてゴールを目指す。普通の競馬とは全く違う。馬は速く走らない。重りを引いて、砂の坂を越える。 見…
世界で唯一の競馬が、ここにある。
北海道・帯広。ばんえい競馬は、重種馬がソリを引いてゴールを目指す。普通の競馬とは全く違う。馬は速く走らない。重りを引いて、砂の坂を越える。
見ていると、わかる。馬が、しんどい。でも諦めない。立ち止まることもある。でもまた動く。
重量は最大1トンのソリを引くこともある。
なぜ帯広にだけ、ばんえい競馬があるのか。農耕馬として使われてきた北海道の重種馬の能力を競うために、農村の人たちが始めた競技だからだ。農業と競馬が、つながっている。
世界でここだけ。その事実が、帯広を特別にする。
馬が坂を越えた瞬間、観客が沸く。その瞬間のために、来てほしい。
六花亭のマルセイバターサンドを買うとき、ふと気づくんですよね、この菓子がここで生まれたのは、十勝の牧草と大地があったからなんだって。帯広の街は、そういう「食べ物の出どころ」が見えやすい場所で、畑と加工場と店が、ほぼ一本の線でつながっているんです。
ばんえい競馬は、農耕馬が重い荷を引いて坂を越える競技で、明治の開拓がそのまま娯楽になったような、すこし不思議な迫力があります。帯広競馬場でそれを見ていると、晩成社の入植から続く開拓の記憶が、ふだんの土曜の午後にもちゃんと息をしているのがわかります。
真鍋庭園のコニファーの緑の中を歩いたり、緑ヶ丘公園の児童会館でプラネタリウムに入ったり、この街の休日はわりとゆったりした使い方ができるんですよ。帯広空港から直接アクセスできて、道東の広い空の下に降り立つ感覚は、どこか旅の密度がちがうんだなあ、と思います。
北海道帯広市に泊まる