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この場所の物語
格子状防風林が、地平線まで碁盤の目を刻んでいる。あの几帳面な緑の列は、開拓の時代に人の手で植えられたもので、それが今も風を受けながら、牧草地をきっちりと仕切っているんですよね。根釧台地の丘のうえに立つと、地球がほんとうに丸いんだなあと、ふしぎでいいなあと思う。開陽台から見えるのは、牧草と空と、それだけ、なんです。
養老牛温泉の渓流沿いで湯につかりながら、PCを閉じてただ湯気を眺める時間というのは、ここでしか手に入らない種類のものだと思います。中標津空港から東京や札幌へ飛べるから、その往き来のあいだに、ゴーダチーズやなかしべつ牛乳を自炊の棚に並べるふだんの暮らしが、ちゃんと成り立つんです。標津岳の山開きに合わせて歩いてみると、この町が農業と山と空港を、ごく自然に隣り合わせにしている場所だとわかります。
伝成館の赤い屋根を横目に商店街を歩くと、酪農の町が長い時間をかけて積み上げてきたものの重さが、すこし伝わってくる気がします。牛乳で乾杯する条例が日本ではじめてここで生まれたというのも、誇らしげでなく、ごく当たり前のこととして語られているのが、この町のぐあいなんだと思います。
北海道中標津町に泊まる
この場所の中身
この地に重なるもの
- 阿寒
- 標津岳
- 中標津空港
自然公園
山
空港