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この場所の物語
広野駅の発車メロディーに童謡が流れているのを、はじめて聞いた人はすこし驚くかもしれない。そのやわらかさが、この浜通りの町の手触りをよく表しているんですよね。
江戸時代には浜街道広野宿として旅人を迎えた土地が、いまはJヴィレッジとJFAアカデミー福島を擁し、サッカーや複数の競技の合宿地として全国から人が集まる。道の駅ひろのには地元農産物が並んで、ふだんの買い物をするにも、ちょっと立ち寄るにも、国道6号沿いにそこがあるのはありがたい。冬でも雪が少なくて、太平洋からの光がわりとやさしいというのも、長く滞在する人にはうれしいことだと思う。
2011年のことを抜きにこの町を語ることはできないし、福島県立ふたば未来学園が「復興を担う人材育成」を掲げて中高一貫教育をしているという事実は、この町がいまどこに向かって立っているかを静かに教えてくれる。浜下り神事「たんたんぺろぺろ」という祭りの名前のふしぎな軽さと、1330年開山の成徳寺が境内に持つ重さが、同じ地面の上にある。そのふたつが並んでいることに、この町の奥行きがあるんだなあ、と思う。
福島県広野町に泊まる
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