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この場所の物語
洲崎灯台の白が、太平洋と東京湾の境目でぽつんと光っている、そういう場所なんです。1919年から点灯を続けるその灯台を眺めながら、ここが半島の端っこであることを、ちょっとだけ実感するんですよね。
里見氏が城を築いた城山公園の丘から見おろすと、鏡ヶ浦の海がひろびろとしていて、なめろうをつくる漁師のまちと、南総里見八犬伝の舞台が、ふだんの暮らしのなかに重なって見えます。館山市立博物館には、その歴史がひっそりと丁寧にしまわれていて、観光案内ではなく、土地の記憶として置かれている感じがいいんです。
船形や洲崎の漁港が近くにあって、房州うちわや唐桟織といった手仕事の気配も残っていて、海と陸のあいだでゆっくり過ごす時間の使い方が、この土地にはちゃんとあるんだなあと思います。JR内房線で東京とつながりながら、それでも半島の先端という距離感が、どこかほっとした間合いをつくっているんですよ。
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