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この場所の物語
山と海がすぐ隣り合っていて、鋸山の石切り場の跡を歩いていると、ふだんの距離感がすこしずれる感じがするんですよ。保田の漁港から磨崖仏まで、同じ日に歩いて行けてしまう、この近さがいいんですよね。
道の駅保田小学校は、廃校の教室がそのまま宿になっていて、「里の小湯」で湯につかりながら、ここに暮らすってどういうことだろう、とぼんやり考えたりするんです。PCを開いて仕事をして、夕方に保田海水浴場まで歩く、そういうふだんの一日が、ここではちゃんと組み立てられる気がします。
日本水仙の産地として知られるこの町に、浮世絵の祖・菱川師宣が生まれたというのは、ちょっとふしぎでいいなあと思うんです。菱川師宣記念館でその作品を見たあと、保田妙本寺の石段をのぼると、江戸の文化がここから育ったんだなあ、という実感がじわりとくる。
東京から特別遠いわけでもなく、JR内房線でたどり着けるこの場所は、訪日客にとっても、日本の農漁村の手触りをそのまま受け取れる、数少ない場所のひとつだと思います。
千葉県鋸南町に泊まる
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